※拍手お礼小話

▼ 披露宴に出席するためにわざわざドイツから駆けつけてくれた手塚に対して一言

「映像で観るよりカッコいいね」

 何気ない花嫁の言葉はその場にいた立海メンバーの関心を一気に引いた。
 当の手塚はポーカーフェイスのままだが、よく見ると眼鏡の奥で微かに眉根が寄っている。対する真田は信じられない物でも見たかのような表情で自分のとなりにいる花嫁を凝視していた。

「えっ、なんでみんなそんな驚いた顔してるの? 私なんかおかしなこと言った??」
「いや、おまえにも人並みにそういう感覚あったんだなって。え、ちなみに幸村くんは?」
「綺麗」
「嬉しいな。じゃあ、丸井は?」
「イケメン」
「じゃあ仁王先輩は?」
「雰囲気」
「おい」
「だがしかし弦一郎は?」
「大好き♡」

 「まぁ、結局はそこに落ち着くんだよな」と苦笑するジャッカル。
 結局は予想通りな結末に落ち着き、真田の機嫌も直ったようだ。
 しかし、それで平和に終わるかと思いきや「じゃあ、いろいろ抜きにして、顔だけで選ぶとすれば誰が一番タイプなの?」と幸村が新たに火種を投下した。
 「真田!」と即答するかと思いきや、「ん〜」と悩みだすものだから、一同の注目が再び花嫁に集まる。

「ん〜切原くんかな?」
「え?」
「えっ!」
「マジっスか? え、待って、真田副部長の目がマジなんですけどっ怖っ! 早く訂正してっ!」
「あはは〜」
「あ、この人わかって言ってるっタチ悪ぃ!!」
「赤也、他人の嫁を誑かすとはいい度量だな」
「いや、だから、冗談って、……ギャーーー!!」